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歯科クリニカなど被害―モジ、強盗事件ひん発

10月9日(木)

 モジ・ダス・クルーゼス市高級住宅地、ヴィラ・オリヴェイラ区で一週間のうちに、歯科クリニカや弁護士事務所など計三ヵ所が立て続けに強盗に押し入られた。犯人は逃走、被害者らは警察に連絡するだけで、事件の公表を拒否。そのなか、サンパウロ歯科外科協会のモジ地区会長、クラウジオ・ミヤケ氏が犯罪対策運動を展開している。二日付、モジ・ニュース・オンラインが報じている。
 モジ市の中心地にある事務所や建物を狙った大胆な襲撃は珍しくない。年初め、語学学校ウイザードが八人組の強盗被害に遭い、二年前には、別の強盗がエルボール・タワーに侵入、人質をとり、様々な事務所備品を盗んでいった。
 「現在、歯科クリニカが標的にされているらしく、今年初めから、少なくとも五つの診療所が強盗被害に遭っている」とミヤケ氏。同市には百五十から二百のクリニカがあり、約千人の歯科医師が診療にあたっているという。
 現在、協会は歯科医らに一連の勧告書を製作している。ミヤケ氏は、「重大な事態」と危惧しながらも、自ら身を守る必要性を考慮。ヴィラ・オリヴェイラで同様の事件が起こる前に、協会は、警察が同時にすべての場所にいることは不可能と考え、様々な対策情報を流すことにした。
 元連邦警察官の警備会社相談役、アラン・テレス・メーロ氏は、「警察の犯罪予防警戒は、モジ市中心地域では、皆無に等しい。連邦警察の業務で確認できるその他の問題は、統計の不足。それがなければ、犯罪を撲滅するのはたいへん難しい」。連警第十七師団司令官で陸軍中佐、ウオルター・デ・パウラ・エ・シウヴァ氏は、「法令により、今のところ、バス車内などで行なうような立ち入り検査をクリニカや事務所で行なうことができない」と説明する。
 一方、モジ市公報機関は専門家の批判に対し、「市の警備体制は、十五分ごとに巡視や見張り行なっており、犯罪予防できている」と述べている。