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国連の協力者暗殺=官房長官、査察と指導容認

10月11日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十日】国連の人権査察で軍警による暗殺行為を証言したとして自動車整備工ジェルソン・J・ビスポさん(二六)が九日朝、バイア州サントアントニオ・デ・ジェズス市の勤務先へ向かう途上、バイクに乗り目抜き帽を被った二人組によって射殺された。
 パライバ州では九月二十七日、州議会の組織犯罪調査委員会(CPI)で証言した農夫フラビオ・シウヴァさん(三三)が自宅付近で射殺された。これで二人目の証言犠牲者が出た。両事件とも目抜き帽を被った二人が、犯行に及び手口が共通している。
 容疑者として五人の軍警が、取り調べを受けている。犠牲者のビスポさんは、弟と友人二人が軍警によって連行殺害されたことで、事件究明のためジャハンジル国連弁務官に協力した。
 ミランダ人権擁護局長官は、一連の殺害事件を当局に対する挑戦と受け止めた。国連弁務官と大統領の会見直後に、犯人らは不罰特権をよいことに見せしめの犯行に及んだという。
 一方、ジルセウ官房長官は、国連によるブラジル司法制度の査察提案を支持する覚書を発表した。覚書には、国民は欠陥司法制度を熟知していると明記した。司法制度改革の必要性は論を待たないし、この機会に国連の専門家により制度の欠陥を修正したいとした。
 ブラジルは国際刑事法批准国で、司法制度の不都合な点を指摘することは、国家主権の侵害に当たらないとした。ブラジルは国連に対し、隠し立ても恐れることもないと、官房長官は声明した。司法官協会は、いらだちをむき出しにして反発している。