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川崎主翼工場=190型機を初出荷=すでに100機分を受注=エンブラエル社=旅客タイプで最大

10月14日(火)

 【既報関連】カワサキ・アエロナウチカ・ド・ブラジル(KAB・小牧庸夫社長)は、エンブラエル社に「一九〇型主翼」を初出荷するにあたり、十日午前十時、サンパウロ州アララクアラ市近郊のガヴィオン・ペイショット市にあるKAB主翼最終組み立て工場で、第一号出荷式典を行った。同型機にはすでに百機以上の受注があり、今後は欧米だけでなく中国市場を目指す、将来有望な機種だ。

 出荷式典には、KABから小牧社長、エンブラエル側からは横田サトシ開発・工業副社長、同市からはグレゴリオ・グージャ市長らが出席した。長さ約十五メールの主翼は、両翼分を大型トレーラー荷台に立てた形で積み込まれた。その前で、従業員ら約百七十人が引渡しを祝った。
 小牧社長がポルトガル語であいさつ。「一号機主翼を出荷出来るのは光栄なこと。今後、エンブラエルとの共同開発をさらに続けていく」と意気込みを語った。続いて、横田副社長が「サン・ジョゼ・ドス・カンポス市(以下サ市)に輸送、〇四年までには飛行できるようにしたい」と今後の予定を明らかにした。
 グレゴリオ市長の祝辞に続き、記念品交換や記念撮影が行われた。最後に、大型トレーラーが同工場を出発し式典は終了した。
 今回の主翼は、カナダ、日本などを中心に部品を輸入しKAB工場で組み立てた。サ市のエ社工場に輸送して胴体と結合後、一九〇型の試作初号機となる。今後、七機の試作機を製造し、来年半ばから量産ペースに入る。同機は、北米とヨーロッパを主な市場とし、将来的には中国市場を目指す。すでに北米の航空会社から百機近くを受注している。
 九九年に、両社は一七〇型/一九〇型ラインの共同開発を契約。すでに一七〇型は試作機が六機完成し、サ市のCTA(航空技術センター)の認可を申請中。一九〇型は、エ社で最大乗客数、座席四列で九十八人から百八人乗り。今回出荷した主翼は、片側約十五メートル、両社が設計から製造までの全工程を行った。