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サッカー=日系3人目の代表か?!=トゥーリオの帰化認可=アテネ五輪にも期待大=祖父が広島、祖母は富山

10月15日(水)

 日系三人目の「日の丸戦士」誕生なるか――。今年四月に帰化申請していた日系三世のJリーグ水戸のプロ選手、トゥーリオ(二二)が十日、水戸地方法務局から正式に日本国籍の申請を認可された。帰化に伴いトゥーリオの登録名を「闘莉王」に変更。祖父母が生まれ育った国で、新たに日本人としてスタートを切った。来年行われるアテネ五輪代表でも守備の切り札として、日本代表入りする可能性がある。また、A代表を率いるジッコ監督も以前からその存在に注目していただけに、今後の活躍次第ではA代表入りする可能性も大きい。ネルソン吉村やジョルジ与那城ら、日系二世が果たせなかったW杯出場も夢ではない。

 マルクス・トゥーリオ・ユウジ・ムルザニ・タナカの本名を持つ闘莉王は、サンパウロ州パルメイラ・ド・オエステ市生まれの日系三世。広島生まれの祖父と富山生まれの祖母を持つ。
 プロクラブ「ミラソル」の下部組織でプレーしていた十六歳の時、サッカー留学生をスカウトしようと来伯した千葉県の渋谷幕張高校サッカー部関係者の目にとまった闘莉王は、日本行きを決断。「自分はブラジル人だが、祖父の母国で力を試そう」と祖父から話を聞いていた異国に渡った。
 一、二年生の時には千葉県代表として国体で優勝しているほか、三年生の時には県予選決勝で、ブラジル人ならではのFKで決勝ゴールを決め、初の全国大会出場に貢献。大学やJリーグから勧誘されるきっかけとなった。
 サンフレッチェ広島への入団を決めたのは、祖父の出身地にあるクラブというのが決め手だった。現在は、外国人枠の関係もあり水戸にレンタル移籍しているが、一八五センチ、八二キロの屈強な体格だけでなく、ブラジル仕込みの足技を備えるDFだけに、今後に大きな期待がかかる。
 「日本人になれて嬉しい。今後も一生懸命頑張る。その結果代表に選ばれれば」と早くも「日の丸」を視界に入れる闘莉王。
 二十三歳以下の代表で挑む来年のアテネ五輪にも年齢的に出場資格を持つだけに、今後の活躍次第では代表入りも十分にあり得る。
 初めての外国籍選手としてJリーグの前身に当たる日本リーグで活躍したネルソン吉村は、帰化後七一年のミュンヘン、七六年のモントリオールの両五輪予選を闘っているが本大会への夢は叶わなかった。
 また、ブラジルからの帰化選手としては呂比須ワグナーと三都主アレサンドロが、W杯の桧舞台を経験しているが、ネルソン吉村とジョルジ与那城は予選で夢を打ち砕かれている。
 「日の丸」を背負った日系人として初めて、五輪を目指す闘莉王。五輪発祥の地で、日系人が輝く場面を見たい。