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最高裁、国連査察を拒絶=行政府との対立激化=醜聞暴露し報復措置も=人権侵害への関与否定

10月18日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】国連がブラジルの人権問題を再査察すると通告してきたことでマウリシオ・コレイア最高裁長官は十六日、行政府が反司法府活動に国連を使うなら、行政府のスキャンダルを暴露すると報復声明を発表した。国連協力者の暗殺や少年院収容者の虐待は行政府の問題であって、司法府のあずかり知らぬこととした。国連特使が来伯しても、司法府は査察に一切応じない方針を明らかにした。

 最高裁長官は、法務省を通じて国連人権委員会から未成年虐待の事実調査を再度行う旨通告を受けた。最高裁は表敬訪問なら丁重にもてなすが、ブラジル国内の司法制度に関する査察目的なら無用であり、司法府に一歩も入れることはできないと、長官は述べた。
 長官は、行政府は司法府への介入に国連を利用しようとしていると非難した。ブラジルの刑務所では日常茶飯事の拷問や国連協力者の暗殺、警察官処刑隊などで司法府の役割を調査するという国連の意向を、お門違いの調査と一蹴した。それらは行政府の問題で、司法府は関係ないとした。
 さらに国連は来年三月、ブラジルのスラム街と農地占拠運動(MST)の実態調査を行うため、インド人のミロン・カザリ国連特使を派遣すると通告した。ブラジルの司法制度は、国連のレーダーに引っ掛かったようだ。 
 長官は行政府が他人を裁くのは容易だが、その前に自分の誤りを正してから他人を裁くべきだと抗議した。ベネジッタ社会福祉相の公費によるアルゼンチンの教会訪問をはじめ、国税庁スキャンダルや行政府の乱脈ぶりも白日にさらす必要があるとけん制した。
 農地改革院のハックバルト総裁が十六日、農地改革を紛糾させたのは司法府だと発言したことで、農地改革院の業務遅延と無能を司法府の責任に転化するものと、長官は抗議した。
 農地改革計画は予算額に照らして、非現実的であることは誰の目にも明白だという。農地改革院が提出した南大河州の農地解放予定地を裁判所は棄却した。この計画は法律に無知な農地改革院の誤算だと、長官は指摘した。 
 長官は十六日午前、国会の聴聞会で「妄想する布教者が、司法制度の改革が即決裁判の近道と吹聴している」といぶかった。国民に吹き込んでいる司法改革は、奇形の司法制度だとした。国中が、司法改革で裁判が国民の注文通りに運ぶと思っている。これは危険な幻想だと警告した。
 現実的で敏速な司法制度に改革したいなら、裁判制度の書式改革と法廷手続きの簡略化をすべきだと、長官は提言した。現行法では上訴や控訴の繰り返しで、判決まで十年かかるものが多い。控訴回数の複雑さは、数え切れない始末。
 政府が法務省内に、司法制度改革委員会を組織したことで「狂気の沙汰であり、無礼至極だ」と、長官は酷評した。行政府がそれを希望するなら、司法制度の在り方を理解できる議員の改革委員会を通じてのみ可能だと、長官はいう。
 最高裁長官は、法務省を通じて国連人権委員会から未成年虐待の事実調査を再度行う旨通告を受けた。最高裁は表敬訪問なら丁重にもてなすが、ブラジル国内の司法制度に関する査察目的なら無用であり、司法府に一歩も入れることはできないと、長官は述べた。
 長官は、行政府は司法府への介入に国連を利用しようとしていると非難した。ブラジルの刑務所では日常茶飯事の拷問や国連協力者の暗殺、警察官処刑隊などで司法府の役割を調査するという国連の意向を、お門違いの調査と一蹴した。それらは行政府の問題で、司法府は関係ないとした。
 さらに国連は来年三月、ブラジルのスラム街と農地占拠運動(MST)の実態調査を行うため、インド人のミロン・カザリ国連特使を派遣すると通告した。ブラジルの司法制度は、国連のレーダーに引っ掛かったようだ。 
 長官は行政府が他人を裁くのは容易だが、その前に自分の誤りを正してから他人を裁くべきだと抗議した。ベネジッタ社会福祉相の公費によるアルゼンチンの教会訪問をはじめ、国税庁スキャンダルや行政府の乱脈ぶりも白日にさらす必要があるとけん制した。
 農地改革院のハックバルト総裁が十六日、農地改革を紛糾させたのは司法府だと発言したことで、農地改革院の業務遅延と無能を司法府の責任に転化するものと、長官は抗議した。
 農地改革計画は予算額に照らして、非現実的であることは誰の目にも明白だという。農地改革院が提出した南大河州の農地解放予定地を裁判所は棄却した。この計画は法律に無知な農地改革院の誤算だと、長官は指摘した。 
 長官は十六日午前、国会の聴聞会で「妄想する布教者が、司法制度の改革が即決裁判の近道と吹聴している」といぶかった。国民に吹き込んでいる司法改革は、奇形の司法制度だとした。国中が、司法改革で裁判が国民の注文通りに運ぶと思っている。これは危険な幻想だと警告した。
 現実的で敏速な司法制度に改革したいなら、裁判制度の書式改革と法廷手続きの簡略化をすべきだと、長官は提言した。現行法では上訴や控訴の繰り返しで、判決まで十年かかるものが多い。控訴回数の複雑さは、数え切れない始末。
 政府が法務省内に、司法制度改革委員会を組織したことで「狂気の沙汰であり、無礼至極だ」と、長官は酷評した。行政府がそれを希望するなら、司法制度の在り方を理解できる議員の改革委員会を通じてのみ可能だと、長官はいう。