10月18日(土)
【フォーリャ・オンライン十七日、時事】ブラジル空軍機『エルクレスC130』は十七日午前十一時二十分、ブラジル人ら百五人を乗せカンポ・グランデ市の空港に到着した。エルクレス機は同日午前四時十五分、内乱状態にあるボリビアの中心都市ラパス近くのボリビア正規軍基地に到着、百五人を乗せ同午前八時十分に離陸した。
百五人は十六日夜までにラパス市内のホテル一カ所に集められ、十七日未明にバスでボリビア軍基地に到着した。基地までボリビア正規軍が護衛した。
エルクレス機は十六日からブラジルカンポ・グランデ市(MS)で待機し、ボリビア政府の許可を得て救出に向かった。ボリビア軍基地に近づき、消音のため同機のエンジンを切る必要はなかった。ブラジル空軍は、救出作戦は極秘裏に進められたと発表している。
サンチェス大統領は十七日、メキシコのラジオ局とのインタビューで、辞任は「民主主義の死を意味する」として、応じない考えを改めて強調した。同大統領は十五日、抗議行動激化のきっかけとなった天然ガスの輸出計画などについて、国民投票で是非を問うと発表したが、野党勢力は拒否している。
現地からの報道によれば、一連の騒動による死者は七十四人とされるが、地元の人権団体は八十人以上が死亡したとしている。負傷者は数百人に上り、多数の逮捕者も出ているようだ。
抗議行動を率いる野党・社会主義運動のモラレス党首は、サンチェス大統領の辞任とメサ副大統領を中心とした暫定政権樹立を提案。メサ副大統領は国軍投入によるデモ鎮圧を批判していたが、十六日の地元テレビでは引き続き副大統領にとどまると強調した。