10月18日(土)
[大分合同新聞]日系二世、殿岡マルセロ勉さん(二三、サンパウロ、山形県人子弟)が、JICA(国際協力機構)の日系研修員として、別府市で竹工芸の技術を学んでいる。マルセロさんは竹を使った装飾品や内装を手掛ける会社を経営しており、日本の技術をブラジルでの新たなビジネスに活用したい、と意欲を燃やす。
マルセロさんは、大分県竹工芸・訓練支援センターの元指導員で、別府市内に工房「クラフト・マツダ」を構える松田浩一郎さん(六九)の指導を受けている。研修は三カ月間。十一月下旬まで竹ひごの取り方や六つ目編み、網代編みなど基本的な編み組み方法のほか、工具の使い方や染色技術も集中的に学ぶ。「非常の意欲的で研究熱心」と松田さんが太鼓判。
マルセロさんは、釣竿や弓矢づくりに竹を使うなど、幼い頃から親しんできた。手作業が好きで、竹を生かした装飾品作りを自己流で始め、じょじょにのめり込んでいったという。「ブラジルでは日本の竹工芸のようなものはない。指導者もいない。しっかりした技術を身につけ、持ち帰りたい」と話している。