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コラム 樹海

 「青い地球は美しい」は旧ソ連の宇宙飛行士・ガガーリン少佐が大空の彼方から発した言葉であり名言として今も世界の人々に伝えられる。ヴォストーク号を操縦し唯一人で宇宙に向かった宇宙飛行士の目に映った母なる大地と海はどこまでも青く澄み切り美しく綺麗な星に見えたのだろう。あれは一九六一年四月十二日のことであり人類が初めて宇宙へと飛び立ったのである▼あの日から四十数年―。中国の有人宇宙飛行船「神舟5号」が打ち上げに成功した。アメリカ、ロシアに次いでの宇宙大国入りは歓迎されていい。中国がミサイル開発に着手したのは一九五〇年代からで七〇年には初の人工衛星「東方紅」を打ち上げ八〇年代になると商業衛生ビジネスに参入と技術の積み重ねを誇る。有人飛行に取り組み始め始めたのは一九九二年であり「神舟5号」の成功と新宇宙時代への突入にはこうした技術的な裏付けがあってのことなのである▼〇八年の北京オリンピックを控え中国は燃えに燃えているが、有人宇宙飛行の成功は新たな国威発揚となろう。胡錦濤主席も温家宝首相も大喜びだけれども「中華民族数千年の夢が現実になった」と叫ぶ国民の歓喜はもっとすごい。高度三四三キロの上空にまで上り地球を約九十分かけて十四周し二十三時間も飛行した楊利偉中佐の偉業も褒め称えたい▼楊飛行士は地上の長男とも交信して「私たちの美しい家を見たよ」と語ったそうながら遠い遠い天空から見るとガガーリン少佐の「美しい地球」も同じような目を持ち感覚が生んだ独語のような気もする。 (遯)

03/10/18