10月21日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)は十八日、過去三カ月に資本財工業が二〇〇一年第二・四半期の水準へ活気を取り戻したと発表した。FGVは工作機械や電気機材、通信機器、車両などの製造業五百社を調査したところ、平均七八・六%の稼働率となり前期の七四・一%から四・五%増加したことで企業の設備投資再開を実感できるとしている。すでに雇用でも効果は表れている。
FGVの調査では資本財製造業の活気が、日に日に回復していることを実感できるという。農機具やトラック、バス、乗用車などの生産財市場にも、その影響は出ている。またトラクターや冷蔵庫用コンプレッサーも動き出した。
雇用市場でも、採用が活発化した。建設用重機のキャタピラーは、同社の販売額の六〇%に相当する三億ドルの注文を海外から受注し、百人を増員。同社はジュンジアイ工場に二千七百人の工員を擁し、百二十カ国へ機器を輸出している。
大型トラックのヴォウヴォは九月、四百三十五台を受注した。前月比で一六%増は国内市場が動き出した証拠とし、同社営業部は幸先良しと踏んでいる。十月の売れ行きも昨年同月比を二〇%を上回る。クリチーバ工場は千六百人の工員を擁し中型トラックの製造も始めたので、さらに二百人を増員した。
バス組み立てを行っているスカニアは、売れ行き好調だ。第二・四半期の二千十一台に対し第三・四半期の三カ月は国内だけで二千百七台を発送した。
ジョインビーレ市のエンブラコは冷蔵庫用の冷却機で、輸出契約を遂行するため同市にある三工場をフル生産させている。第二・四半期から第三・四半期にかけて輸出が七〇%伸びた。
農業機器のデジニは砂糖アルコール工場用機械を製造している。工場を三〇%拡張して目いっぱい稼働している。セルトンジニョとピラシカバの二工場で二千八百人の工員が就労している。同社は重機メーカーで、同業の大小メーカーが倒産を余儀なくした中、農業機器で不況を突破した。
農業機器の製造は、機器製造の中で最も安定していると業界はみる。種まき機メーカーのジュミルはバタタイス市に工場を持ち七百人の工員を擁し、さらに百五十人を募集した。同社は今年、昨年同期比三六%増の販売高だ。銀行融資が容易に出るなら、販売は昨年と比べて倍増になる。
収穫機のアグコは千五百万ドルを投資して南大河州カノアス工場を拡張した。さらにサンタローザ市にも新工場を建設中だ。両工場とも昼夜交代制でフル生産を行っている。昨年比五四%の増産を見込んでいる。
昨年は開発銀行の融資が滞ったが、今年は融資枠を広げたので一斉に注文が殺到している。