10月21日(火)
ブラジル山形県人会創立五十周年式典が十九日、サンパウロ市リベルダーデ区のブラジル日本文化協会記念講堂で開かれた。山形県から高橋和雄知事、松浦安雄県議会議長ら約六十人が参加。出席した七百人以上の県人会員らと節目の日を祝い、若い世代を含めた相互交流の活性化を誓い合った。
式典後は山形県出身の歌手、葵ひろ子さんと佐藤瑛杜子さんがそれぞれ日本の名曲を熱唱。合間には「ブラジルの山形県人による歌と踊り」のプログラムが組まれ、ブラジル花笠会、戸塚マリ舞踊教室、海藤司民謡教室、小野チエミさんが日ごろの成果を披露した。
また、講堂前サロンでは移住者の歩みなどが分かる写真百二十点以上を展示。まいたけやそばといった山形の名産品の販売コーナーも設けられていた。
式典では県人会の荒木克弥会長がまずあいさつ。「県と県人会の相互交流は緊密にしっかりと根を張ってきた。この大樹がさらに成長してくれれば」と述べた。
これに対し、高橋知事は「きょうの日を原点に交流をさらに深めたい。帰ったら早速行動に移す」と約束、松浦議長も「議員レベルでも友好親善に取り組む努力をしていく」と言明した。
この日、県側は県人会にプロジェクターなどを贈呈。県人会はブラジルの風景画で答礼した。また、八十歳以上の高齢者百七十二人には銀のプレートが記念品として手渡された。
式典は昭和天皇作詞の県民歌「広き野を 流れゆけども最上川 海に入るまで にごらざりけり」を斉唱、幕を閉じた。
山形県からブラジルに渡った人の数は戦前に三千五百人あまり、戦後は八百十七人が記録されている。嚆矢は一九〇七年に移住した鈴木貞次郎氏。