10月21日(火)
南半球で海洋調査を進めている日本の海洋地球研究船「みらい」が十一月二日ブラジル・サントスに寄港、六日まで同港客船ターミナルに碇泊する。これを記念して四日、サンパウロ大学で同船の任務に関する講演会が開かれるほか、五日には船内が一般公開される。
同船は日本初の原子力船「むつ」を大幅に改造したもので、全長百二十八メートル、総トン数八・六トン。観測船としては世界最大級を誇り、最先端の観測機器を搭載している。
この周航観測航海は日本の海洋科学技術センター創立三十周年記念事業の一環で今年八月にオーストラリア・ブリスベーンを出港。現在航海中のアフリカ、南アメリカ八カ国の若手研究者、技術者に加え、ブラジルからもサンパウロ大学海洋学研究所の研究員、学生、海軍士官が乗りこむ。
航海は来年二月まで続き、南半球の約五百地点で海面から海底までの水温・塩分・二酸化炭素などを高密度に測定分析していく。
博物学者チャールズ・ダーウィンのビーグル号航海(一八三二―三六)にちなみ、「ビーグル2003」と名付けられた今航海で得られたデータは気候変動研究を進める上で貴重なものになる、という。データは航海後二年以内に全世界の研究者に公開される予定。
四日の講演会は午後二時から同四時。サンパウロ大学海洋学研究所内講堂で、「ビーグル2003計画―南大西洋における海洋学調査のための日伯協力」をテーマに行なわれる。海洋科学技術センター研究員、「みらい」船長、同大学海洋学研究所教授が英語で講演。
船内の一般公開は五日午前十時から午後二時。見学の所要時間は三、四十分ほどで、人数制限はない。ただし、参加希望者は氏名、身分証明書番号などを今月二十四日までサンパウロ総領事館総務班(電話=11・287・0100)に届けること。