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社会福祉計画スタート=生活扶助金を支給=1100万世帯に2006年まで実施=大統領府が一括実務

10月22日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】ルーラ大統領は二十日、社会福祉計画を再編し本格化される二〇〇四年へ向けて、資金捻出予定のないまま五十三億レアルに上る「生活扶助計画」を発表した。
マンテガ企画相は現時点では資金の裏付けはなく、他の予算からの編入を予定しているため、成否は議会の承認にかかっていると述べた。同計画は従来の四扶助制度を一括にまとめ、月間所得百レアル以下の千百万世帯に、二〇〇六年まで配布される。

 ルーラ政権の最優先事項でありながら始動に手間取り、とかく批評されてきた社会福祉計画を再編し、大統領府顧問で社会政治学のアナ・フォンセッカ教授采配の下で実施することとなった。
 再編計画の発表式典の終了間近、マンテガ企画相は予算の引き当て予定がなく、取りあえず保健予算の三十五億レアルを借りると述べた。そのために議会の承認を得なければならず、少なからぬ抵抗と説得を覚悟する必要があるとした。
 生活扶助金はまず百二十万世帯に、二十七日から支払われる。五三%は、北東伯地方の住民。計画は二〇〇六年まで、千百万世帯に五十レアルから九十五レアルが支給される予定だ。
 新しく制定された生活扶助金制度は、従来の奨学金、食品カード、食糧補助金、家庭用ガス補助金の四制度を代替する。これまでの生活扶助金は平均で二十四レアルであったが、再編計画により平均七十五レアルに増額される。
 扶助対象世帯は次の二種類とする。第一は世帯の月間所得五十レアル以下で、固定扶助金五十レアルと十五歳以下の児童一人につき十五レアル、最高で九十五レアルまで支給される。第二は世帯の月間所得五十レアルから百レアルまでで、十五歳以下の児童一人につき十五レアルを最高四十五レアルまで支給される。
 扶助家族は次のような義務を負う。一、六歳から十五歳までの児童を就学させる。二、予防注射を必ず受ける。三、十五歳以下の児童の就労を禁じる。すでに取得したカードは、徐々に単一カードへ交換する。これまで一括払いであったが、三回の分割払いとなる。
 同計画の早期本格化と予算獲得のために地方自治体の協力を期待している。式典に参加した州知事は、二十七人のうち二人と代理人二人のみであった。これまで富の再分配計画で参加を表明したのはゴイアス、南大河州、南麻州、アクレ、アマゾナス、ペルナンブッコの六州のみであった。
 ゴイアス州の場合は、一世帯当たりの生活扶助金を百二十レアルに引き上げた。アクレ州は、支給九千世帯を二万五千世帯に拡張した。パラー州は税制改革次第と態度を保留した。サンパウロ州は参加を見送り、バスの無料カードを支給する計画だ。
 大統領府に生活扶助管理局を創設したので、社会福祉局の主な役割は取り上げられた。ベネジッタ社会福祉相は社会保障院の下部機関へ配属になる模様だ。グラジアノ食糧特命相も、〃お株〃を奪われた。教育省も奨学金制度を奪われた。