ブラジル抜きのFTAA案=米政府が最後通告=関心ある国だけで協定=輸出拡大したメキシコ
10月23日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】来伯中の米州自由貿易地域(FTAA)準備委員ピーター・オールガイア米大使は二十一日、対伯協定の締結有無にかかわらず関心のある国々との間で米政府は自由貿易協定を結びFTAAは発足すると言明した。これは、農産物補助金制度や反ダンピング法を除外した米国案を受理しないブラジルに対する最後通告とも受け取れる発言だ。米政府は外交慣例を踏まず、譲歩の意志がないことを示したものとされる。
議会におけるFTAA説明会の席上、米政府のオールガイア大使はFTAA交渉が合意に至らないならば、米政府は米国案に関心がある国のみと協定を結び、見切り発車すると警告した。FTAAで米国と対立するブラジルに対する間接的な挑戦状とみられる。
FTAA協定は、世界貿易機関(WTO)で係争中の農産物補助金と反ダンピング法を除外したのは既成の事実だという。米案は今日の国際習慣に準じたもので、グローバル時代の要求は二国間協定ではなく多国間協定だと主張した。
ブラジルが難色を示すサービスや投資、知的所有権、政府資材の購入は、グローバル経済の中で把握すべきだという。一国で一貫生産する国は少なく、世界のどこからでも安価な製品を調達できるシステムを構築すべきだと述べた。
米国はアジア勢の追い上げに対抗するためFTAAを考案したもので、国家主権に抵触したり途上国の経済発展を阻害することが目的ではないとした。メキシコはNAFTA(北米自由貿易協定)を締結したことで、九百七十億ドルを輸出するに至った。一方、百二十億ドル輸出で低迷するブラジルと、どちらの国家主権が守られているのかと、同大使はいう。
同大使はWTOカンクン閣僚会議に言及して、ブラジルがG22途上国連合を組織したことは、農業問題を政治問題にすり替えるものと評した。G22は当初、思想的に合流したグループと見ていたが、南北の対決色を鮮明にしたことでろうばいしたと述べた。
G22途上国連合は、まとまりつつあるWTO自由貿易交渉の場を、引き裂いたと、同大使はみている。G22は今後、どのような道をたどるのか関心事だとした。
ギマランエス外務次官は同大使の議会発言に対し、ブラジルは通商拡大と投資奨励が優先なので、米案に対して慎重に対処することに変わりはないと述べた。投資奨励では地方自治体が外国資本の導入や工業団地の建設に着々と成果を挙げていることを挙げた。FTAAは現政権中に、国民の支持のもとで締結を期待すると、次官は述べた。