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日本政府にしかるべく要請=梶原全国知事会会長が会見=デカセギ子弟教育問題を重視=海外日系人協会改革を宣言

10月25日(土)

 海外日系人協会会長、梶原拓・岐阜県知事は、来聖当日の二十四日午後二時からサンパウロ市内ホテルで記者会見を開き、日本と日系人の関係について、独自の考えを述べた。国政に提言する〃闘う知事会〃にと呼びかけた同知事。この九月に就任したばかりとはいえ、〃闘う日系人協会〃と言われるような活躍を、同協会会長としても期待したいところだ。

 全国知事会会長と同時に、世界の日系人と日本をつなぐ要である海外日系人協会会長の要職を務めるのが梶原知事。「日本全体としてどうするかも考えていきたい。基本的な方針を立て直す必要があるのではないかと思う。海外日系人協会の仕事を見ても、新しい方針を打ち出していない。従来の延長線上であれこれするだけにすぎない。私が会長になったので、変えていかなければならない」と力を込めた。
 外務省が補助金カットを打ち出したことで、各都道府県が県費留学生・研修生受入れ事業の縮小・廃止を検討している件について、「こちらに来てから知った」としながらも、「やはり日本語文化を共有していかないとつながりが途絶えてしまう。この点で留学生問題は重要だ。国の補助が打ち切られたからといって、たとえ形は変わっても、止めてはいけないと思っている」という方針を明らかにした。
 デカセギ子弟の教育問題については、「子弟の教育問題が最大の課題。教育をしっかりしていくことが、まだまだ不十分だと思う」と語った。
 また特別定住査証が三世までしか発行されず、現在日本の学校で通っている四世世代は、成人して親の扶養を離れると就労可能なビザがもらえない「四世問題」――。さらに、帰伯しても日本語しか話せないデカセギ帰国子弟が増えている。
 これについて梶原知事は「日本人でもブラジルでもない中途半端な大人になる問題があるとは聞いていた。日本政府にしかるべく要請しなければならないと思う。子どもたちがそうなってしまうことは、最も避けるべきことではないかと思う。新しい状況に合わせて、日本全体が総合的な戦略・方針を考える時。国がダメなら、地方が独自に考えていかなくては」と熱く語った。
 帰国後、すぐにでも愛知、静岡、長野、三重などの県知事からなる中部知事会で検討する意向を明らかにした。
 同席した渡辺信行・同県議会議長も「日本では古き良き文化が失われつつある。民族の良さを失わずに、文化などを継承していただくことが、この国の発展につながる。相互補完の関係や絆が保たれるよう記念式典などを通して再確認していきたい」と語った。
 梶原県知事は、海外日系人協会会長として二十五日午後二時から文協小講堂で「日本と日系社会との関わり」をテーマに講演する。また、二十六日午前十時から文協記念講堂で「岐阜県人ブラジル移住九十周年・同県人会創立六十五周年式典に出席する予定。