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牛肉輸出で世界一=肉質改良の努力実る

10月28日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】全国畜産連盟(CNA)は二十五日、牛肉輸出でブラジルが、往年の王者オーストラリアと米国を追い抜き、世界一へ躍り出たと発表した。
 今年の牛肉輸出高は百三十万トン、金額にして十五億ドルとなった。オーストラリアは、百二十万トンに止まった。この快挙の陰には、ブラジルの精肉システムの近代化を図ったセレット・グループのインデペンデンシア精肉会社オーナーであるアントニオ・ルッソ氏の努力がある。
 ほかに牛肉輸出に功績のあった精肉会社は、バチスタ氏のフリボーイ、ケイロス氏のミネルバ、ベルチン家のベルチン精肉などもある。これまでブラジル産の牛肉は肉質とうま味で劣るとして、アルゼンチン産やウルグアイ産と比べて二流品扱いされてきた。
 四年間にわたる肉質改良と徹底的な衛生管理の結果、ブラジル産牛肉は好評を得、輸出が従来の四十カ国から百四カ国へ増えた。またカナダや欧州で起きた狂牛病(BSE)問題で、非感染国のブラジルが脚光を浴び、特にロース肉(ピッカーニャ)は評判が良い。
 またオーストラリアや欧米は集中飼育方式を採り、肥育剤、抗生物質を大量投与し脂肪分が多いので、ブラジルの放牧式が見直された。生産原価でも土地代や人件費が廉価なため、ブラジル産は有利だ。
 ちなみに牛の飼育頭数は一九九九年の統計では、インドの二十一万頭に続いて、ブラジルは十六万四千頭で世界二位、続いて中国の十万七千頭となっている。インドや中国は労役用であり純肉用としては、ブラジルが最高頭数を誇る。