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小学校の入試禁止=幼児、児童教育に悪影響

10月30日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】教育省の教育審議会(CNE)は二十八日、幼稚園や小学校への入園・入学試験を実施することを禁じた。CNEはこの種の試験が発育期の児童の情緒、血圧に悪影響を及ぼすと懸念した。
 CNEは入学希望者が定員を上回る場合、抽選または先着順で決めるように学校関係者へ要請した。これはCNEが九月二十九日の会議で決定し教育省へ二十八日、報告した。条例の公布に、ブアルケ教育相の承認待ちとなっている。
 小学校は義務教育であり、この段階で不合格者のらく印を押すことは非情と、CNEが考慮した。新規入学希望者たちのために限られた定員を確保する入学試験は、児童の心の傷とならないと思われる時期に行うよう勧めた。
 CNEのコルドン委員長は、この年齢には競争原理を適用するより、協力による譲歩をとるべきだという。挫折を通して人間は成長するという考えに、同委員長は同意できないと述べた。定席不足を入学試験によってカバーするのは理由にならないという。母親の職場や通学距離などを考慮した選考を行うよう提言した。
 教育省のフェレス次官はCNEの決定は、疑問視されてきた未熟な幼児の試験制度を是正するものとした。選考漏れはあきらめられるが、不合格のらく印は学校生活の苦い思い出となり、人生にも良い結果をもたらさないと述べた。