10月31日(金)
[既報関連]今年八月十四日から約二週間、母県・沖縄の子どもたちをブラジル、アルゼンチンに招き交流を深めることを目的に行なわれた「ブラジル・アルゼンチン沖縄県人移住九十五周年スタディーツアー」(ブラジル沖縄県人会、アルゼンチン沖縄県人連合会主催)。ツアーに生徒七人を送り出した沖縄尚学高校(名城政次郎校長)からこのほど、同ツアー報告書が編集部あてに送られてきた。同校の生徒がツアー中、率直に抱いた日系社会に対する思いがつづられている。
ツアーは(一)移住九十五周年式典への出席(二)記念祭での伝統芸能・民族舞踊発表とサッカー交流(三)ブラジル・亜国の自然・社会状況の体験学習(四)異文化および移住社会の体験学習――などを目的に行なわれた。
南米に降り立った生徒たちが一様に驚いたのは、国土の広さと貧富の格差。そして、日系人の活躍ぶり、沖縄県系人が琉球文化に誇りを持っていることに目を見張ったよう。佐久川俊介さん(二年)は、「沖縄の人よりも沖縄らしい生活をしている」と記している。
また、南米の人たちの寛容さ、沖縄県系人の団結力に感動した生徒も多い。屋我友香さん(同)は、「ブラジルとアルゼンチンは『心の温泉』でした」と表現。野原昴子さん(同)は、県系人が語った「国際交流において大切なことは『横の社会』。移民たちもみんなが平等で、お互いを理解し、助け合ったから、ここまで来ることができた」という言葉を胸に留め、「私たちには、この意志を受け継ぎ、今後の課題としてやり遂げる義務がある」と決意を述べている。