11月1日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】米経済第三・四半期の経済成長率が七・二%と空前の好況を記録したことで、輸出や直接投資の増大、金融市場への資金流入の期待で、ブラジル市場が色めき立っている。
しかし、中期的には米国の公定歩合一%の引き上げ、ドル通貨の切り下げ、年間五千億ドルに上る貿易赤字の是正が行われると予想されている。
財務省国際局のカヌート長官は、経済協力開発機構(OECD)会議から帰国して、米国経済の好調は政府の予測以上のもので財務省に誤算のあったことを認めた。輸出に見るべき成果があり、ブラジルの貿易収支も上方修正されると述べた。
二〇〇三年の貿易収支は二百二十億ドルを超過するが、二〇〇四年は百六十億ドル以下の可能性があるという。ブラジルの輸出は米国向けが二一%を占めているが、予想を超える目標に設定することも可能と、同長官はみている。
ただし米国は公定歩合とドル通貨の引き下げを行う可能性があるので、ドル資産とドル債権を有する企業には大きなインパクトがあるとされる。引き下げ時期は、二〇〇四年末の米大統領選の直後と予想される。
市場関係者は、ブラジルのビジネス・チャンス到来とみている。ブラジルをはじめとする途上国は、生産物のマーケットを米国内に確保しており国内総生産(GDP)を大きく引き上げるという。米国はまだ低利であり貨幣流通量があふれる現象が起き、途上国へ流れ込むと予想している。