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高齢者の尊厳失う=カトリック大学が報告

11月1日(土)

 高齢者の多くが「高齢者の人間としての尊厳を社会は尊重していない」と考えていることが二十日、サンパウロ州カトリック大学(PUC)の「ブラジル人間尊厳・平和報告書」で明らかになった。
 同大学は、サンパウロ市、リオデジャネイロ市、レシフェ市の高齢者千七百二十五人を対象に調査を実施した。
 調査によると、リオ市在住の高齢者の四〇・八%が「高齢者の尊厳は保たれていない」と考えている。サンパウロ市では二八・二%、レシフェ市では二五・五%だった。
 大サンパウロ市圏オザスコ市在住の年金生活者のパウロ・セリーニさん(六八)は十九日、サンパウロ市西部アーグア・ブランカ区のINSS(国立社会保険院)の窓口へ行った。家を同午前五時に出て、バスにゆられて同午前六時に到着。だが、正午まで立ったまま列に並ぶはめに。INSS側は、「一日に千人応対するが、そのほとんどが高齢者や病人、身体障害者なので列ができる」と弁明している。
 ロウルデス・N・ヴァレンテさん(七〇)は先週、道路を渡ろうとしてオートバイにひかれた。「運転者はわたしを『お前は馬鹿か、ばばあ』とののしった」。
(フォーリャ・オンライン)