11月4日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】統一労働法(CLT)の改正を検討中の政府に対し商業労働組合(CNTC)は一日、先手を打って下院の三百四十一議員を訪問。企業は労働法に柔軟性を取り入れるよう求めており、これに対する扱いについて打診した。CNTCは組合員七百万人を擁する最大労組とされる。CLT改正に当たりCNTCが改正諮問機関に参加できるように求めた。同法の改正は大統領府の中に準備委員会を設けたばかりで、目下草案作成の段階にある。
国際競争力の育成と雇用創出で、CLTの改正に政府は取り掛かる。CLT改正で、労働者団体が最大の障害になるとみられる。
行政府はCLTの改正原案作りに入った。全国労働フォーラムは、労働組合や企業家、省庁関係者を招集した。CNTCは先陣を争って下院へ乗り込み、議会審議委員会への参加を要求した。五十年にわたり適用されたCLTを、時代の要求にこたえるCLTへ改正をすべく下院は検討する。
連立与党は年金改革や税制改革の疲れで、CLT改正では食傷気味だ。CNTCは組合税の行方や労働組合の在り方、組合の構造改革、労働法の融通性に関する具体的内容などの質問状を議員らに手渡した。CNTCは、同労組を審議の席に招くことを約束する念書に署名を要求した。
前政権で労働法改正が結実しなかったことは、ルーラ政権への警鐘ともなっている。労組の政治工作により組合に充てられる税の徴収継続は、議会で五二%の議員の支持を得ている。二六%は廃止。二二%は回答がなかった。労働法の改正阻止を旗印とする労組に賛同する下議は、訪ねた三百四十一人のうち五五%、一九%が改正容認。二六%は無回答であった。
労働高等裁判所の一部権限の廃止も労働法の一環で検討され、物議をかもしている。行政府と企業家代表は、労働裁が労使交渉の是非を決める特権廃止を提案している。この提案はやがて労働裁の権限を取り上げることになると、高等労働裁のファウスト裁判長はけん制した。
例えばサンパウロ市地下鉄ストなどの場合、労働裁の権限が労働問題を裁決するために役に立ったという。労働問題には労使双方に原因があり争議が水掛け論となる場合、労働裁の権限が両成敗にするのに必要とされる。
ペルナンブーコ州のサトウキビ採取業者と企業側の争議は、死傷事件に至ることもある。北東伯地方の労働争議は話し合いによる解決が困難で、権限を発動しないと死人を出すことが再々ある。団体交渉は、制定され良識家の間では理想的な労働争議の解決法とみられている。