11月4日(火)
ブラジル日本都道府県人会連合会(中沢宏一会長)は十月三十日午後、パライーゾ区の石川県人会館で代表者会議を開いた。来年度のフェスチバル・ド・ジャポン(日本祭り)の会場については、今年に引き続いてイビラプエラ区の州議会駐車場で開催されることが決まった。
一方、実行委員会を含む来年度の体制にいては、当面執行部に一任して欲しいという中沢会長と吉加江ネルソン副会長が対立。また、百周年の記念事業についても中沢会長の提案に対し、吉加江副会長が異論を唱えるなど確執が浮き彫りになった。司会を務めた高橋一水副会長が、発言を打ち切るなど異例の事態となった。
より多くの来場者に対応したいと、来年度の会場を検討してきた執行部だが、「まだ財政的余裕がない」「リスクを犯すべきでない」などを理由に来年度も州議会駐車場で開催することを提案。出席者も全員一致で承認した。
吉加江副会長は、企業が文化事業に所得税の一部を当てることが出来るルアネー法の適用が政府に認められたことを報告。その枠が五十六万レアルとなったなどと説明した。
一方、当面は執行部に日本祭りの企画などを任す、という執行部の意向に対し、吉加江副会長は「執行部と実行委員会は別組織にすべき」と提案。十月二十九日の執行部会では異論を唱えなかった吉加江会長に、津高書記は「どうして二つの組織を作る必要があるのか不明だ」などと反論した。吉加江副会長は「もっと実行委員長の権限を認めてもらっていれば、もっとよい結果(黒字)を残せた」と暗に中沢会長を批判。さらに発言を続けようとする吉加江会長に対し、司会の高橋副会長が「もう発言はダメです」と諌めるなど会議は大紛糾した。中沢会長も憮然とした表情を浮かべるなど、執行部トップのいざこざに出席者からは溜息が聞こえた。ある出席者は「ほぼ了承するぐらいの形にまとめるのが、こういう大きな会議の常識だ」と執行部を批判した。
対立が決定的となったのが、議題の一つである百周年事業への提案についてだった。中沢会長が、執行部の意向として「日系人実態調査」など近日中に提案すると述べたのに対し、吉加江副会長は「遅くとも十一月中にはセミナーや会合を開いてまとめるべき。この間の執行部会でも会長は何も発言しなかった」と非難。中沢会長は「こうして聞いているのも我慢できない。もう少し考えて発言して欲しい。会長をサポートする副会長がどうしていきなりそういう発言をするのか」と応酬し、泥仕合を展開した。
事態の収拾を図ろうと高橋副会長が議題を次に進めたが、会長と副会長が露呈したやり取りに出席者は呆れ気味。前回の代表者会議同様、執行部が一枚岩となれない実情を改めて見せ付けた。