「死者の日」だった日曜日。小雨に打たれる供花の姿がテレビのニュースに映るのをみて、池坊ブラジル支部「いけばな展」が文協であることを思い出した。
裏千家は来年でブラジル支部創立五十年を迎えるというが、池坊は今年で三十五年になる。その記念展は夕刻にもかかわらず盛況。季節を生けるこころの広がりを目の当たりにし、あらためて感心した。
心に留まった点がひとつ。ブラジル人の作品はおおむねすっきりと簡素で日本的。華やかさでは素材選びからしてむしろ日本人の方に軍配があった風に思われたのだ。
一般には逆の印象が強い。しかし他文化を受容するとはそういうことなのだろう。気が付けば相手の文化に深く染まっている。と花冷えの盆、マカロナーダを食べつつ、足元のずっとずっと先にある国と身内の亡き影を偲んだ。 (大)
03/11/04