11月5日(水)
国際協力機構(JICA)サンパウロ支所が日本語普及センターと共同で「日本語教育ネットワークプロジェクト」を推進しているが、三日、プロジェクトの一環として、コンピュータなどの機材贈呈式がコロニア・ピニャール日本語モデル校であった。贈呈式には小松雹玄支所長らJICA関係者、機材供与を受ける聖南西文体連(森エリオ会長)の該当校四校から約六十人が出席。「全伯を一つのネットワークでつなぎ、日本語教育の充実を図ろう」と意気込みを新たにした。
同プロジェクトは昨年二月、シニア・モデル校会議で発案された。JICAがコンピュータなどハード面を供与、日本語普及センターが教育法などソフト面を伝授して日本語普及を目指すもの。JICA聖支所は昨年、すでにマリンガ、クリチーバ、アラサトゥーバに機材を供与している。
今回、該当校にはコロニア・ピニャール文体協(田中得朗会長)、ピエダーデ文体協(石原哲朗会長)、イビウーナ文体協(碁石博文会長)、ピラール・ド・スール文体協(伊藤正男会長)の四団体に付属する日本語学校が選ばれた。同地域の生徒数は合わせて約二百人、教師は計十三人。供与された機材はコンピュータ四台、デジタルカメラ二台、日本語ソフト三冊で約四十五万円という。
三日の贈呈式で小松支所長は、「一年以内にネットワークを立ち上げるのが目標。全伯の日本語学校をつないで、お互いに情報交換、インターネット検索、ホームページ作成などに役立てて欲しい」とあいさつ。「教材や資料、運営法などの交流を深めるほか、先生たちが教授法についての悩みを交換することで能率よく日本語教育が推進できるだろう」と期待を寄せた。
続いて、聖南西文体協に配属された福井たかよシニアの機材説明、各団体会長の謝辞の後、生徒を代表してコロニア・ピニャール日本語学校三年生、大橋あゆみちゃんと広瀬あさみちゃんが日本語で元気よくあいさつ。「コンピュータで漢字の練習をしたり、日本に帰った先生にお手紙を書いたり、ホームページを見てみたいです。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。