11月7日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】サンパウロ市には現在、路上生活者が一万三百九十四人いる。一九五一年に建設され、サンパウロ市のシンボルとなったコパン・ビルを二棟分満員にさせるだけの人数だ。完全に路上で生活している人々のほか、市立路上生活者収容所で寝泊りしている人々も含まれる。この調査は、サンパウロ市の依頼でサンパウロ大学経済研究所(Fipe/USP)が実施した。
大学卒業者四百人が、ホームレスとして生活していることも明らかになった。これは、ブラジルが不景気であることの何よりもの証拠である。サンパウロ市は、収容所で二十三人の大学卒業者がいることを突き止めた。うち会計士が五人、経営者が三人、教員三人、弁護士一人、医師一人、ジャーナリストが一人いた。
市内のホームレス数は、三年前の八千七百六人と比べて一九・四%増加した。サンパウロ市人口の増加率は同期比わずか二%で、ホームレスが急増していることが分かる。
ホームレス数はほぼ二〇%も増加したが、実際に路上で生活している人数は減っている。三年前は全体の五七・六%(五千十三人)だったが、今年は四〇・五%(四千二百八人)まで下がった。対して収容所で生活する人々はほぼ倍増し、三千六百九十三人(四二・四%)から六千百八十六人(五九・五%)へ上った。
収容所には、シャワー(温水)、食事、ベッドのほか、社会福祉業者のコンサルタントサービスもある。一部の収容所には、ホームレスの社会復帰計画も実施されている。現在、サンパウロ市の収容所は三十三カ所にある。
ほとんどのホームレスは、サンパウロ市中心街で生活している。レストランや店が多い中心街では、ゴミも多量だからだ。食料や再利用製品などを求めて、ホームレスはあさる。
アウダイーザ・エスポザッチサンパウロ市社会福祉局長(PT=労働者党)によれば、市内九十六地区のうち二十六地区(すべて中心街)に、ホームレスの九一%が集中している。逆にいえば、サンパウロ市郊外にある地区ほど、ホームレスが少ないことになる。
同局長によれば、現在の主なホームレス像は「三十八歳ぐらいの男性」で、三年前とほとんど変わっていないという。すでに、さまざまの苦境に追い込まれた経験を持つ人々であり、「雇用市場に復帰させることが非常に難しい」と同局長は説明している。