11月8日(土)
【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・オンライン七日】二日夜から六日間連続でサンパウロ州の警察を攻撃し続けている犯罪組織PCC(首都第一コマンド)は五日夜、サンパウロ市東部サポペンバ区の警察官夫婦の自宅を銃撃し、同北部ジャルジン・エリーザ・マリーア区で軍警パトカー二台を襲った。
PCCの攻撃で、すでに警官三人が殺害されている。軍警伍長・兵士協会サントス地方支部のジーマス・L・シウヴァ部長は、「警官はパトロールのおかげで、制服を着ていようが着ていまいが顔の知られる存在になり、狙われやすくなった。犯罪者たちは大胆不敵になっている」と憤る。
軍警官夫婦宅での攻撃は五日午後十一時三十分ごろ発生した。婦警のフラーヴィア・ヌーネスさん(二六)が応接間で生後一カ月七日の娘に授乳していた時、突然二十発以上の銃弾が窓ガラスを割った。婦警は幸い、ひじにかすり傷を負っただけで済んだ。同じく軍警の夫、エーメルソン・D・シウヴァさん(三六)は、もう一人の娘(四つ)と部屋で寝ていたので無事だった。
ヌーネス婦警は、「路上で銃撃戦が起きたときの心身の準備はできているけれど、自分の家の中で撃たれるとは思っていなかった」と、襲撃の恐怖を語った。
六日未明、PCCは、いたずら電話で軍警をおびき寄せる悪質な手口も使った。軍警パトカー二台が、「激しい夫婦げんかが起きている」という通報を受け、現場へ向かった。これはPCCの罠(わな)で、パトカーは銃撃された。負傷者は出ていない。
七日午前九時の情報では、軍警と市警は二十三人の容疑者を逮捕した。同午後のCBNラジオによると、六日夜から七日未明にかけて、PCCの攻撃はほかの日より少なくなった。同未明に銃撃被害が出たのは、大サンパウロ市圏オザスコ市GCM基地。GCM一人が被弾している。
この六日間で、すでに三十件に及ぶ攻撃があった。軍警基地およびパトカーへの攻撃は十六件。軍警官三人が死亡し、十人が負傷。都市圏市民警備員(GCM)基地五カ所が破壊され、GCM四人が負傷。市警警察所三カ所、子供擁護警察署一カ所、道路警察署一カ所、軍警官宅一軒、連警パトカー一台も攻撃された。