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コラム 樹海

 中曽根・宮沢長老の引退。共産党の顔・不破哲三氏、公明党では市川雄一氏という実力派が総選挙を前にして政界を去った。中曽根氏が「浮沈空母」なら不破氏は「平和論」を引っ提げて闘い国会に一石も二石も投じた政界の雄であり戦後政治史には欠くことができない。こうした引退劇を後にしての衆院選は明日九日が投票日であり開票も始まる▼政権公約(マニフェスト)選挙とされるこの衆院選は各党が賑やかすぎるほどに賑やかな公約を掲げてはいるけれども、その具体的な内容となると有権者にはわかり難いの評が専らだ。小選挙区選三〇〇・比例選一八〇の四八〇議席を争い戦うのだが、現在の調査では自民党が過半数を飛び越える勢い。政権奪取を狙う民主党は、自由党との合併効果もあって二〇〇議席の獲得をと威勢はいいのだが―▼土井たか子党首が率いる社民党の飛躍的な伸びは難しい。共産党は小選挙区に三〇〇人を出馬させたが前回と同じく一人の当選も無理ではないかの観測がしきりである。比例で頑張り二〇議席を狙っているそうだが、日本には隠れマルクス・ファンも結構多いので目標の達成もあながち夢ではあるまい。与党の保守新党も十一人が立候補しているけれども、三人当選すればいいと苦戦▼こうした二大政党的な現象になるのは小選挙区と比例という今の制度が生みだす帰結と言っていい。と、すれば―この選挙は実体的には与党三党と民主党の戦いなのだ。自民党の目標が過半数。民主党の二〇〇議席も「政権獲得」に繋がるのは言うまでもあるまい。   (遯)

03/11/08