11月11日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙】ブラジルの漁業は環境破壊という現実に直面している。ブラジルの海岸部で漁獲される主な魚種の八〇%が乱獲の危機にひんしている。
八千キロに及ぶブラジルの海岸の大部分を占める海は熱帯にあり、豊富な種類の魚が生息するが、温帯や極地方の海と比べると栄養分が集中していないために各種類ごとの生息数は少ないとメーロ国立自然環境保護院漁業資源部長は話す。
ブラジルの漁獲量は現在年間八十四万三千トン。そのうち、イワシの漁獲量は一万七千トンだが、三十年前のそれは約二十万トンだった。ラゴスターは十年前の一万一千トンから六千五百トンに減少、エビ、コルビーナ(鳴き魚)、ペスカーダ(タラ科の一種)も漁獲量が減少している
専門家たちはまず漁船の削減によって、漁獲量を減らすか、少なくとも現在量を維持する必要があると声をそろえる。また漁獲する魚を深海や大西洋沖に生息する魚にシフトすべきという意見も挙げられている。