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国内需要増加に転ず=前年同月比で14カ月ぶり

11月12日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十一日】コンサルタント会社『テンデンシア』の調査によると、GDPから輸出分を除いた国内需要が九月に前年同月比で五・五%増加し、十四カ月ぶりにプラスに転じた。
 昨年七月以降、国内市場は前年比で縮小を続けてきており、その間ブラジル経済を下支えしたのは輸出だった。今年六月にマイナス一四・八%に達した国内需要は七月にマイナス四・九%、八月にマイナス六%と回復傾向を示していた。ブラジル地理統計院(IBGE)の調査では、消費財の国内生産は九月に前年同月比で一・五%、中間財は四・六%、資本財は八・六%増加している。
 調査を担当したエコノミスト、モンテーロ氏によると、国内消費の回復は主に基本金利(Selic)の引き下げと、それが消費者に影響を及ぼすという心理的効果による。基本金利が低下傾向にあり融資額が増加しているので、消費の回復は一時的なものではなく、また、給与水準の回復も期待できるとモンテーロ氏はみなしている。
 一方、国内消費の回復は工業生産増加のけん引役にはなっていないという慎重な見方もある。IBGEによると、一-十月の工業生産は前年同期比〇・〇九%の増加に過ぎず、自動車部門では九月に乗用車生産が前年同月比で三・二%減少している。
 国内消費の回復が雇用、所得、投資に結びつくことで初めて本格的な景気回復
が実現するとエコノミストたちは分析している。