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最高裁長官 法曹界の動揺憂慮=悪いのは一部と強調=内部捜査に自ら全面協力=判事1・5万人は潔白

11月13日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十二日】最高裁のマウリシオ・コレイア長官は十一日、一部判事の不祥事で司法官が動揺していると述べた。八人か十人の判事の不正行為によって、一万五千人の判事も同様であるかのような印象を与えているとした。司法府に対し批判の嵐が巻き起こっているが、これは例外だと抗弁した。司法府に対する誤解を解くため、長官自身もルーラ大統領との会談を希望している。

 連邦裁サンパウロ市支所で判決を取引対象とした不正行為が明るみに出たのは、盗聴の許可や容疑者の逮捕などで司法府が協力したからだと、長官は述べた。
 一部に司法官としてふさわしくない判事がいても、一万五千人の司法官全員が同様とするのは間違いだと、長官は声明を発表した。次々に新事実が発表されることで、法曹界への誤解が生じることを憂慮したものとみられる。
 全国弁護士会(OAB)の依頼でトレード調査会社が調査したところ、回答者の三八%は法制度に不信感を抱いていることが判明した。長官は、同調査方法に問題があるとして抗議した。調査では、司法府の中に検察庁や弁護士、連邦警察なども含めたからだ。調査法には作為が見られると、長官は非難した。司法府は生身を削る思いで、司法府内部の調査に協力したと語った。
 長官は十月二十七日、大統領と上下両院議長へ書簡を送り、法制度に関する問題で協議する意向を示した。長官は十一日、快諾の返答を受けたことを、初めて明らかにした。最初に司法府の専門家らと、議題の選考を行う。それから司法府と行政府のわだかまりを解く。 大統領と両院議長との会談では、司法府を管理する機関や上院で審議中の法制度改革なども話し合う。長官自身は外部の管理に反対でも賛成でもなく、原点の議論を期待するという。