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障害児の学費カット=大統領が支払い禁止=各界から非難の声挙がる

11月13日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十二日】一週間前に「九十歳以上の国民は生きていることを証明するために国立社会保険院(INSS)に出頭せよ」という命令を出したことで抗議の的になった政府だが、今回は教育面で抗議された。教育振興基金(Fundef)の予算を使って非営利の民間学校に通う精神・身体障害児の学費を払う法案を、ルーラ大統領が禁止、十一日に連邦官報に掲載されたからだ。Fundefは、公立校生徒数にしたがって、連邦、州、市の教育予算を振り分けている。
 上院議員らだけではなく、教育省関係者らも、大統領の同法案禁止令に驚かされた。
 同法案は二〇〇二年、下院で議員ら全員の支持を得て可決された。上院では今年十月二十四日に可決。精神・身体障害者の両親と友の会(Apaes)のような団体の生徒も、Fundefに援助されるはずだった。
 大統領府によると、法案が禁止された理由は「政府の予算・財政に大きな衝撃を与え、基本的な目的が達成できなくなるどころか、税制システムを再調整せざるを得なくなる可能性もある」と説明している。
 財務省によると、この法案が可決された場合、連邦政府のFundefに対する経費が八百七十万レアル増加する。これは今年、Fundefに回される四億三千七百万レアルの二%にすぎない。
 さらに、政府は「Fundefの予算は公立校向けのものであり、私立校や民間団体へ向けるものではないと定められていた」と弁明した。
 元Apaes会長のフラーヴィオ・アルンス上院議員(PT=労働者党)は、「もういい! 堪忍袋の緒が切れた。社会から疎外されていたブラジル人を守ると約束した党の上議として、わたしは恥ずかしい。(・・・)政府は差別したと訴えられてもおかしくない」と憤った。
 エドゥアルド・バルボーザ下院議員(PSDB=ブラジル社会民主党)も、「平等な社会を目指すという政府の公約がまた破られた」と非難している。アルンス議員とバルボーザ議員は、この法案を立てた責任者である。