11月13日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】ブラジルクライアント協会(ABRAREC)は、ブラジルでコール・センターが五十万人の雇用を創出する魅力の業界であると呼びかけている。これは、サービス輸出という新しい業種だ。
米国のAT・ケァニイ社が同社金融部門のオフショア・オペレーションを途上国へ下請けに出すため、とりあえず五十万人を募集している。ブラジルも候補地の一つとして挙がっており、希望企業が名乗り出るのを待っている。
希望する企業が決まったら、同社は管理責任者を派遣し、ブラジルの役割を指導する。これまでインドで行っていたオペレーションが割高となったため、ブラジルへ移す計画だ。ほかに距離的に近いことと時差が少ないことで、ブラジルが有利とされる。
ソニー・エリクソンも、コール・センター用の人材を求めている。世界各国にコール・センターを設置することは資金的に不可能だ。それで地域本部として、ブラジルが注目されている。本社は世界の顧客から金融資産を預かって有利に運用する。そのために、世界の金融市場をすなどる業務なのだ。
オペレーターは顧客と直接、コンタクトして資金を運用する。担当国の言葉を方言や癖がなく流ちょうに話せる人材が必要。AT・ケァニイ社は英語が流ちょうな人材を求めて英語教室を探し、合弁する計画でいる。候補に上がっているのがデータ・バンク。外国語に堪能なスタッフを多数、抱えている。いま即時求めているのは、英語またはスペイン語の二カ国語。
二カ国語に堪能な人は、国内市場だけを担当する人よりも二倍の所得を得ている。コール・センターは、中高年や身体の不自由な人にも雇用創出の花形となっている。外国生活の経験がある人は、飲み込みが早いので有利だ。途上国の中で比較すると、ブラジル人は小さなことにうるさい反面、仕事でも小さなことによく気づくという。