劣悪なサンパウロ市の夜間バス=「奴隷船」同様と苦情=満員、悪臭、強盗、銃撃戦・・・
11月14日(金)
【アゴーラ紙】多くの人々が眠っている時、夜遅くまで働いていたサンパウロ市民が満員バスに乗って家に帰る。このような市民が乗るバスとは、一体どんなものなのか? アゴーラ紙の記者たちはこのほど、午後十一時から午前五時まで運行するサンパウロ市および大サンパウロ市圏の夜間バスに乗り、運行状況をチェックしたところ、定員、待ち時間、安全などの面での評価が「悪い」「最悪」となった路線が数多くあった。
同紙の記者たちは、六日間にわたって、十一路線の夜間バスに乗った。記者たちの夜間バスの感想は「苦」の一言。特に、サンパウロ市中心部から東部へ向かう3310路線バスが最悪だった。
3310路線とは、レプーブリカ広場(中心部)―シダーデ・チラデンテス(東部)。「バスの中では、運転手や車掌、乗客たち全員が苦しむ。終点まで二時間半近くかかる・・・」という男性乗客(二〇)は、午前二時にバスに乗り、午前四時二十分に終点で降りるというハードな生活を送る。
バスは、シダーデ・チラデンテス住宅団地の間を曲がりくねりながら走行するため、時間がかかりすぎる。同路線のあだ名は「黒人船」。アフリカから黒人奴隷を植民地ブラジルまで乗せてきた船が、このバスのようにいつも満員で、衛生環境も非常に悪かったからだ。
同路線バスの中で失禁する人もよくいるという。「満員バスの中で尿の悪臭を我慢しながら、終点まで行かなければならない」と、車掌のアイルトン・ドミンゴスさん(三七)は顔をしかめた。「同路線では八回も強盗があった。うち二回は自分も襲われた」。同路線は循環バスで、延べ約百キロも走る。
問題が多いのはバスだけではない。同紙記者たちは同期、地下鉄や電車にも乗った。地下鉄はさほどの問題はなかったが、電車はかなりの苦情を乗客たちから聞いた。ある女性(三四)は、電車の中で起きた撃ち合いに巻き込まれたことがある。「床にはいつくばって何とか難を免れた」と顔をこわばらせた。