11月15日(土)
日本貿易振興会(ジェトロ)サンパウロ事務所に二日、前所長、柳田武三氏(五六)の後任として、桜井悌司氏(五八)が新所長に着任した。五日、着任挨拶で来社した柳田、桜井の両氏は、「アジアに向けられた日本企業の目を、ブラジルに向けたい」などと力強く語った。
新任の桜井氏は一九六七年、ジェトロに入社。これまでにメキシコ、チリ、スペイン、イタリアなど海外赴任歴は通算十三年。ブラジルには七三年、アニェンビー公園であった日本産業見本市で初来伯、以来、十二回を数える。最後に来伯したのは九五年、翌年に控えた日伯修好百周年記念・日本産業見本市の準備調整で。ブラジル赴任直前は、見本市や博覧会を企画、組織する展示事業部長として采配を振るっていた。
五日、来社した桜井氏は、ブラジルについて、「やはり、ダイナミックな国ですね」と感嘆の声。今後の抱負としては、「日本企業は中国、東アジアに関心があるが、ブラジルには元気がある。日本―ブラジル貿易に力を入れ、企業間投資を増やしたい」と意気込みを語った。
一方、二〇〇〇年から三年間、所長を務めた柳田氏は東京本社に戻り、ブラジルを含めた途上国全般のODAに関する職に就く予定。日伯間貿易について、「かつてブラジルで苦い経験をした日本企業が多く、ブラジルとの取引はネガティブなイメージが強いが、今はビジネスモデルがすっかり変わっている。両国の関係をプラス志向でみていきたい」と話していた。