11月18日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】青少年への性的虐待に対してルーラ政権が採用した戦略は「近視眼」的なもので、ブラジルと世界で最も問題となっている家庭内の性的虐待を無視しているー。
これは性的虐待の告発電話を六年にわたって受け付けてきたNGO団体、『ブラジル児童青年保護専門家協会(Abrapia)』のモンテイロ・フィーリョ会長の意見だ。「家庭内の性的虐待は密室性が高く、告発が非常に難しいにもかかわらず告発件数は最も多い」。同会長によると、九七年以降取られた統計では近親者や身近な人間による性的虐待が告発の六〇%を占める一方、児童売春といった商業目的の性的虐待は四〇%だという。
法務省は検察庁、連邦警察、連邦交通警察と共同で、カーニバルといった休暇中に多い児童売春の撲滅に取り組んでいる。「メディアの受けがよいため、こうした対策は一番着手しやすいが、警察と裁判所の焦点は予防という正しい解決方法からずれている。家庭内の性的虐待が児童売春につながることが多い」と同会長は述べ、教育省や保健省などが協力し、子どもとその家族に性的虐待に関する情報を十分提供することが必要だと訴える。
同会長によると、告発された性的虐待のうち七〇%が父親、叔父、祖父、名付け親に行われたという。「ブラジルは家庭内の性的虐待が問題となり始めた二〇年前の米国の状況と同様、今は現実を否定している段階だ」(告発電話の番号は〇八〇〇・九九〇五〇〇、午前八時から午後六時まで受付)。