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愛媛県人会と母県=絆の強さを確かめ合う=創立50周年記念式典=加戸知事ら慶祝団迎える=AJ公園に県木を植樹

11月18日(火)

 ブラジル愛媛県人会(西村定栄会長)の創立五十周年記念式典が十六日午前十時から、サンパウロ市リベルダーデ区の文協記念講堂で開かれた。同県出身者ら約五百人が出席。半世紀の歴史を振り返るとともに、会の発展を約した。県から加戸守行知事、中畑保一県議会議長、白石省三県海外協会長をはじめとする六十四人の慶祝団が来伯。移住者との絆の強さを確かめ合った。愛媛県からのブラジル移住は第一回笠戸丸(一九〇八)に二十一人が乗船したことに始まり、今年は県人移住九十五周年。式典は終日、盛り上がりを見せた。
 先没者への黙祷、日伯両国歌の斉唱後、西村会長があいさつ。県人会創立の経緯を説明、歴代県知事や県民の協力援助に感謝した。県費留学生・海外技術研修員制度にも触れ、「多くの二世三世がブラジルの発展のため、あらゆる分野で貢献、日伯両国の掛け橋になっている」と子弟の活躍を称えた。
 加戸知事は移住者の労をねぎらい、日系・県人社会の活発化に期待をかけた。ブラジル国旗と愛媛県旗が共に、緑と黄色を基調にしていると指摘。両者の関係の深さを象徴するものだ、と述べ、会場を沸かせた。
 中畑県議会議長、白石県海外協会長、野村丈吾元連邦下院議員(州知事代理)、アナ・ルイーザ・セルノーベ市長代理、石田仁宏サンパウロ総領事、羽藤ジョージ市議、中沢宏一ブラジル都道府県人会連合会長がそれぞれ、祝辞を述べた。
 続いて功労者六人、八十歳以上の高齢者八十人が表彰を受け、加戸知事より賞状と記念品が渡された(高齢者は代表者)。西村会長には感謝状と記念品が贈られた。
 県から県人会へのプレゼントは今治市(愛媛県)と尾道市(広島県)を結ぶしまなみ街道の写真パネル。壇上に掲げられると、会場から拍手が起きた。県は文協、援協、県連の三団体に寄付、県議会は県人会に祝い金を贈った。
 県人会側は加戸知事、中畑県会議長、県会議員団、白石県海外協会長、山田久同事務局長、県人会内の功労者に記念品を贈呈した。
 最後に、留学生・研修生を代表して高橋ナイルさんが「公平で住み良い社会にするため、ブラジル社会で努力しています。そのためのチャンスを頂きました」と謝辞を述べた。
 式典には小松雹玄JICAサンパウロ支所長、アリ・カプラン・中村・アルゼンチン愛媛県人会長、中田賢・北伯愛媛県人会長ら多くの来賓が出席した。
 祝賀会では、関係者によりケーキカット、鏡割りが行われた。
 乾杯の音頭をとった中村時広松山市長は父がブラジル移住者であったことを紹介。「父からブラジルの話をよく聞かされた。こちらで初恋をしたそうです。その話題になると母の眉間にしわが寄った」と会場の笑いを誘った。
 アトラクションでは歌や踊りのショーが繰り広げられ、式典に花を添えた。加戸知事、中畑県会議長もマイクを手にした。
 祝賀会後、加戸知事らは県人会館そばのアラメーダ・ジュニオール公園に県木の松(黒松)を植樹した。
    ×  ×     加戸知事ら知事同行団は十七日午前、ニッケイ新聞者を表敬訪問、高木ラウル社長と懇談した。
 加戸知事は会社の概要や邦字紙の役割などについて、質問。高木社長は、二世三世と世代が進んでいく中で文化伝統の継承が困難になってきている、などと答えた。ジュニオール公園の整備には、同社長が会長を務めるオイスカブラジル総局が関ったことにも言及した。

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