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紀宮さまウルグアイ到着=本紙特派=バジェ大統領夫人が歓迎=市民「なんて上品なんだ」

11月18日(火)

 【モンテビデオ市=下薗昌記記者】約二週間の日程で中南米を公式訪問中の紀宮さま(清子内親王殿下)は十六日、ウルグアイのモンテビデオ市に到着された。カラスコ空港に到着後、空軍基地でメナフラ・デ・バジェ大統領夫人らの出迎えを受けた後、独立広場など同市内各地を視察された。皇族がウルグアイを訪問されるのは初めてだけに、日曜の昼下がりを楽しむ市民らは「プリンセサ・ハポネサ(日本のプリンセス)」「ヴィヴァ・ハポン(日本万歳)」などと歓迎した。

 紀宮さまが中南米を公式訪問されるのはブラジル、四年前のペルー、ボリビアに続いて三度目となる。二年前のウルグアイと日本の国交樹立八十周年を機に、ご訪問を予定されていたが、米国の同時多発テロ事件のために延期されていた。
 同日午後一時過ぎに、パリ経由でモンテビデオ市に到着された紀宮さまは、空軍基地でバジェ夫人から花束を手渡され、歓迎を受けた。その後、滞在されるホテル前では地元の日本人学校に通う日系人子弟やその保護者らが、両国旗を振り、熱烈に出迎えた。紀宮さまは車の中から手を振り、歓迎に応えられた。
 午後五時すぎには、同市中心部にある独立広場をご視察。空港ご到着直後には、雲行きの怪しい天候だったが、紀宮さまが独立広場に到着され見上げると、ウルグアイ国旗がなびく空は、雲も消え青空が広がった。
 ウルグアイ建国の父として知られる国民的英雄のホセ・アルティガスの騎馬像と、地下にはアルティガスの遺骨が眠る墓地を、政府職員の案内で見て回られた。やや緊張の様子で説明に当たったマリア・テレサ・デ・ラ・キンターナさん(六〇)は、紀宮さまと握手した後、記念品を手渡した。「すばらしい経験となりました。非常に光栄です」などと笑顔を見せた。
 モンテビデオ市では、到着前日の十五日と十六日に、主要紙がカラー刷りの別冊特集で紀宮さまのウルグアイ入りを扱うなど市民の関心も高まっていた。
 初日最後は、バジェ大統領夫人が会長を務めるNGO団体「エチョ・アカ」の作品展覧会をご視察。一週間に渡って開催された展覧会の閉会式で紀宮さまは、「今回の訪問がウルグアイと日本の友好を深める一つのきっかけになれば幸いです」とお言葉を述べられた。
 皇族を一目見ようと詰めかけた市民らは「何て上品なんだ」「ヴィヴァ・ハポン」などと歓迎していた。