11月18日(火)
「夢の百姓『正しい野菜づくり』で大儲けした男」(白日社、〇〇年)の著者で長野県八千穂村の農業者、横森正樹さん(六三)が二十日午後二時からブラジル日本文化協会小講堂で講演する。
後継者不足、離農者の相次ぐ現状を尻目に「農業は儲かる。そして将来性がある」と、言い切るその哲学とは?―
炭と木酢による土作り、商品のブランド化、農協を介さない流通販売などを提唱する農業従事者たちのネットワーク「がんこ村」の創始者が、成功の秘訣を二時間にわたって披露する。
農業はつらい、苦しい、儲からない。そんな空気が蔓延する昨今の日本にあって堂々と「百姓」を名乗ってきた横森さんに、いま熱い視線が注がれている。
全国各地から講演依頼が続々と舞込むが、「自分はあくまで百姓。お金は交通費も含めて一切頂かない主義。ブラジルで今後講演するとしても自己負担で来ます」。十四日文協で開かれた記者会見で横森さんはそうきっぱり。来伯はこれが三度目。
還暦を機に先述の本を出版。大手メディア数社に取り上げられたばかりか、地元長野県の田中康夫知事の目にも留まり、「向こうから懇談の申し入れがあった」ほど、話題の渦中にある人物だ。
本格的に農業を始めたのは約三十年前。スタートは遅かったが徹底したプラス思考と革新的な実践で旧態依然の日本の農業界に風穴を空けてきた。
「みなさん単純なことを複雑に考えすぎて失敗している」。安全で味・鮮度が良く、そして安い商品をいかに作るか、自身が率いる「がんこ村」の実践報告を通し、「ブラジルの方にお役に立てれば」と話す。
文協小講堂での講演会では横森さんの指導を受けてリンゴ栽培に取り組むピラール・ド・スルの農業者が実践報告する。
また、横森さんの農場で以前、研修生として働いていた日系二世の農業者も出席。現地で培った経験を語る、という。
入場無料。講演会終了後にカクテルパーティーがある。ブラジル農協婦人部連合会、ブラジル農業拓植協同組合中央会など七団体が共催。