先週末、奄美群島の本土復帰五十周年記念式典が奄美大島・名瀬市であり、天皇、皇后両陛下がご出席された。ブラジルでも、今年九十周年を迎えた鹿児島県人会が、奄美の復帰五十周年などを兼ねて記念誌を発刊、話題になっている。
奄美群島といえば、琉球と薩摩の文化が混在する摩訶不思議なところ。珊瑚の石垣、毒蛇ハブ、国指定天然記念物アマミノクロウサギ、黒糖焼酎、闘牛、星砂などが想像できるが、群島民が何より愛するのは島唄だ。
奄美の有名な島唄、「行きゅんな加那」の訳詞はこうなっている。
――行ってしまうのですね、愛しい人よ。私を忘れて行ってしまうのですね
――そりゃ行くのですが、行くのが辛くて仕方ないですよ
一九〇八年以降、移民船出航の際、この島唄に涙した群島民は何人いただろう。(さ)
03/11/20