「未成年凶悪犯を厳罰に」＝サンパウロ州知事　少年法改正を提案＝矯正期間を10年に延長

11月21日（金）

　【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事（ＰＳＤＢ＝ブラジル社会民主党）は十九日、ジョアン・パウロ・クーニャ下院議長（ＰＴ＝労働者党）に児童青年憲章（ＥＣＡ）と刑法の改正を提案した。ＥＣＡの改正案は主に、未成年凶悪犯への対処を厳しくするものだが、刑事罰対象年齢の引下げは提案されていない。刑法に関しては、未成年者勧誘罪に対して厳罰化すべきだとしている。
　アウキミン知事は、「ＥＣＡは十分良い法律である。我々の提案はＥＣＡをより良くするためのものである」と言明している。
　クーニャ議長は同知事の改正案に対し、「ＥＣＡを大幅に変更するのではなく、強姦罪や強盗殺人罪など重罪の場合にのみ厳罰化を求める案なので、納得した」と全面的に支持。同案検討グループを結成すると約束した。
　アウキミン知事が提案したＥＣＡ改正案は次の通り。
　（１）凶悪犯罪を犯した少年のＦｅｂｅｍ（州立未成年者支援財団。日本の少年院と少年刑務所を合体させた施設）収容期間を、これまでの三年から八年に延長する。
　（２）凶悪犯罪を再度犯した、あるいは凶悪犯罪を二つ以上犯した場合、判事は収容期間を十年まで延長することができる。
　（３）Ｆｅｂｅｍで満十八歳を迎えた少年は、専門家らの鑑別を受け、結果次第では一般刑務所の特別監房に収容される。少年の刑務所収容処分は一年以内に、再検討されなければならない。現在では、非行少年は満十八歳になるとＦｅｂｅｍを出られる。
　（４）少年がＦｅｂｅｍに収容される場合、収容期間を明らかにしなければならない。現在では、少年は自分の収容期間を知らされていない。
　十三年前に発効したＥＣＡによると、非行少年は、Ｆｅｂｅｍで最高三年間矯正される。少年は六カ月おきに、心理学者や検事、未成年者担当判事らに鑑別され、そのつど収容期間が決められている。
　アウキミン知事はまた、刑法の未成年者勧誘罪の厳罰化案も提出した。現在、この罪の刑罰は一年から四年まで。同知事は刑罰を二年から八年までにすべきだと提案。犯罪組織による未成年者勧誘を防止するのが目的である。