ブラジリア支局から、さきの衆議院選挙・在外投票の模様が伝えられてきた。写真が添えられており、すでに掲載したが、投票所となった日本大使館講堂は、いかにも閑散とした風景だった。四日間に投票した人は三十七人、管内選挙人登録者の三二%であった▼支局の通信者は総括した。「日本国内の投票率に比較した場合、海外という事情からいえば、いいほうかもしれない」。なるほど、こういう見方、とらえ方があったか、とは思った。しかし、数値の低さはいかんともし難い▼登録された選挙人数に対してこの数値だが、登録をしていない、選挙権を持つ全日本国籍保持者に対するパーセンテージとなると、まことに〃お寒い〃現実である。大使館管内の場合四・五%▼日本側から、特に政党から「海外の票と言ったって……、こんなもんだろう」といった声がますます高くなりそうな気がする▼サンパウロ総領事館の発表によれば、今回のブラジル国内在外投票投票率は(公館投票のみ)は、前回の〇一年参院選より軒並み落ち込んでいる。理由は、さまざまいわれるが、ここではふれない▼一万一千五百人余りの選挙人登録者がいる、サンパウロ総領事館管内は今回も郵便投票だった。手続きの繁雑さから、棄権者が増えたものと推察される。正念場は、公館投票ができる来年の参院選挙である。今回の大使館管内並みの投票率だと、三千七百票ほどにしかならない。ここは選挙人登録数をもうひとふんばりして増やし、絶対票数を上げたい。(神)
03/11/21