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高校生の学力が向上=教育システム進む=依然として人種、貧富の格差

11月22日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】ブラジル人の中等学校生(日本の高校生)の学力が向上したことが二十日、教育省が発表した第六回国立中等教育試験(Enem)の結果で明らかになった。百点満点の同試験で、今年の平均点数は、選択問題の基礎学力試験で四十九・五五点、小論文(作文)で五十五・三六点。昨年はそれぞれ三十四・一三点、五十四・三一点と下回っていた。また、「普通~良い」と評価された生徒が約半数と最も多くなったのも初めてだった。しかしながら、人種の違いや貧富の差で見ると、生徒の学力に大きな差が出ており、未だに社会改善の課題が政府に残されていることが浮き彫りになった。
 この試験は、中等教育レベルを測定するもので、義務で受けるものではない。日本の現学制では、中等教育は中学校と高校が該当する。ブラジルでは、一年生から八年生までが初等教育、日本の高校にあたる三年間が中等教育とされている。今年の試験は、受験者数が初めて百万人を超えた。
 国立教育調査院(Inep)によると、Enemは生徒個人の学力を測るものなので、現在の試験結果は過去の試験結果と比べられないと説明している。ギオマール・N・メーロ教員は、「それでも、良い結果が得られたことは、教育システムが進歩したといえる」と喜んでいる。
 サンパウロ大学(USP)のネーリオ・ビッツォ教員は、「成績が上がったのは、今回の試験が易しかったからではないか」と指摘している。
 だが、公立校生徒と私立校生徒の学力の差は依然として大きい。公立校だけで勉強してきた生徒は平均四十四・七九点を獲得。対して私立校だけで勉強してきた生徒は平均六十四・二一点と二十点も上回っている。
 黒人と白人の間でも成績に差が出ており、白人の方が黒人よりも成績が良いことが分かる。全体的に成績が低かった黒人の間でも、公立校と私立校の生徒では、私立校に通う黒人の方が成績が良かった。