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親に落書きの罰金=本人には塗り消しを強制=SJカンポス市

11月25日(火)

 【ジアーリオ・デ・サンパウロ紙】サンパウロ市は日々落書きで汚されていくが、サンパウロ市から八十五キロ離れたサン・ジョゼ・ドス・カンポス市では落書き包囲網が狭まりつつある。落書きを本人に消させるだけでなく、罰金を市役所に支払うことで、落書き犯人の親も責任を負うことを裁判所が認めたのだ。
 同市は今年、落書きの損害賠償を請求する十四件の訴訟を起したが、そのうちの三件で勝訴した。九月に初めて勝訴した判決では、文化財に指定された建物の正面に落書きした三人の若者の両親に対して、千二十八レアルを市に支払うよう命令が出された。
 モウラ・サンジョゼ保安局長によると、同市の落書き撲滅計画は二年前に始まり、それ以降、落書きは六〇%減少したという。しかし、それでも同市はまだ月平均一万レアルの損害を落書きにより被っている。
 二年間で約三百人の若者が住宅、公共施設、文化財に指定された建造物に対する落書きで逮捕された。同局長によると、警察に逮捕された若者たちは児童青年裁判所に送られ、地域社会に奉仕する罰を受ける。次に若者たちはエリオ・アウグスト・デ・ソウザ財団が監督する『青年プロジェクト』への参加を義務付けられ、心理学者や社会指導員のもと社会教育を受ける。
 「若者たちは落書きした住宅の壁を塗り消すが、ペンキは市役所が提供する。公共施設の場合は市役所が落書きを消す」と同局長は述べた。すでに約百二十人の若者が同プロジェクトに参加している。
 ユーセフサンパウロ市青年課長はサンパウロ市の落書き問題は他の市よりずっと深刻なので、落書き対策は違ったものになると強調した。落書き犯人が有名グラフィックデザイナーの指導の下、より芸術的な絵を描ける場所が〇四年一月までに三十一カ所設けられる。「落書きを市が塗り消せば、犯人はなかなか落書きをやめない」。同課長はまた、落書き犯人に対し、勝利を収めるには市を清潔に保つことが必要だと考えている。