11月25日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】約一億のブラジル人(総人口の七〇%)が、世界人口の半数が感染していると言われるピロリ菌に感染している。
胃腸科の医師によると、ピロリ菌の多くは問題を起さないが、感染者の最低一〇%が胃かいように、一%が胃がんになる恐れがある。また、胃かいようの八〇%、胃がんの四九%にこの菌との関係が指摘されている。
この菌は発見が容易にもかかわらず、胃炎を訴える患者すべてに対して検査は行われていない。サンパウロ総合大学医学部胃腸科のシンゾン教授によると、検査は医師が必要と判断した場合のみ行われる。胃がんにかかった人が家族にいて胃炎を訴える人にも検査をするべきだと同教授はいう。検査は胃カメラや血液、大便の検査からなる。
ピロリ菌は抗生物質を中心とした治療により、九〇%のケースで除去できる。しかし、抗生物質が一箱当たり平均百二十レアルと高価な上、患者の約二〇%から三〇%に副作用を起こす可能性があるため、治療は患者個々の症状などに合わせて行われるべきだという。
治療を受けた患者の再感染率は、ブラジルで二%から五%、先進諸国では一%とされているが、再感染の原因はまだ明らかにされていない。