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コラム 樹海

 ブラジル在住者で、だれが最も(多くの回数)天皇皇后両陛下、皇太子ご夫妻、紀宮さまにお会いしているだろう?▼「もう訪日三十一回になりました。そろそろだれかにバトンを渡さないと」―これは、さきごろ第三十一回パラナ州友好経済使節団の団長として、つとめを果たした上野アントニオ・パラナ日伯商工会議所会頭(元下議)の話▼冒頭の問の答えは、上野さんである。皇室の方々には、経済使節団を率いて訪日するたびにお会いするので、少なくとも三十一回、そのほか節目の移民祭、日伯交流の重大な行事の際などに来伯された両陛下、皇太子ご夫妻の接待の中枢に、いつもいたので、お声をかけられる機会はことのほか多かった▼上野さんが団長をつとめてきた経済使節団は、常に官民で構成されている。今回の民はアルコール、種子、牛肉、電気、大豆、靴などであった。官も民も、訪問先で官のあっせん、場づくりにより、懇談を商談にまで延ばすのである▼上野さんは、今年八十歳。下院議員七期をつとめていた間、ずーと使節団の団長をやり、人脈をフルに活用して来た。議員をやめてからも、団長は続けており、影響力を生かしている。今回帰国後、三十一年もやって疲れた、とは言ったが、まだ楽しそうだ。後継に西森ルイス州議の名を挙げていた▼西欧では普通のようだが、ずばり、官も商談に参加する使節団。今後も続けられそうである。皇室の方々にお会いする機会も一層増えるだろう。(神)

03/11/26