11月28日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】最終段階に入った社会保障院改革は二十六日、上院で一次表決を行い賛成五十五票、反対二十五票で可決した。ルーラ大統領は、改革反対の上議にも個人的に電話で説得するなど奮戦した。賛成票のうち十三票は野党に属する上議の票で、必要数を六票上回った。しかし、政府は同年金改革案を可決するために、予算の払い出しで便宜を図るなど苦戦した。
大統領はロメウ・トゥーマ上議に、ジルセウ官房長官はアントニオ・C・マガリャンエス上議に説得工作を行った。表決の結果、可決に必要な四十九票を六票上回る五十五票の賛成票を得た。このうち十三票は、PSDBとPFLなど野党の援護射撃であった。
連立与党からの賛成票は、四十二票。造反議員は次の五人であった。ヘレーナ上議(PT)、モンサンタ上議(PMDB)、カブラル上議(PMDB)、パエス上議(PMDB)、コスタ上議(PTB)は棄権。
修正に修正を加えられた年金改革最終案の主な内容は、次のようになった。
【全額年金】現職公務員の定年年齢を男性は六十歳、女性は五十五歳。年金掛け金納入期間が男性は三十五年、女性は三十年。公務員として二十年以上勤務。以後採用の公務員は含まない。
【同等待遇】定年者と現職公務員は定年後、現職者と同等の調整を受ける。以後採用の公務員は含まない。
【遺族年金】以後採用の公務員は年金を二千四百レアルを上限とする。それ以上は三〇%の減額となり、補足年金基金に加入する。
定年前の死亡も同様。
【定年前倒し】二〇〇五年までは、不足期間を一年につき三・五%減額。二〇〇六年からは、五%減額。
【年金者の負担金納付】
地方公務員で千二百レアル以下の年金は負担免除。連邦公務員で千四百四十レアル以下の年金は負担免除。
【年金上限】州高等裁判事の年金は、最高裁判事の年金の九〇・二五%を上限とする。州司法官や州検事も、それに準じる。
【給与上限】連邦公務員の給与は、最高裁判事の一万七千三百レアルが上限。 【民間企業の年金上限】これまでの民間企業に就労した従業員の年金上限千八百六十九レアルを、二千四百レアルに引き上げる。