11月29日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】下院で二十七日、女性の配偶者に暴力を振るう男性に対する処罰を今までの三倍にし、女性に対する差別語を使っている刑法二一六条を訂正する刑法改正案が可決された。
刑法二一六条には、「誠実な女性」という表現が使われていた。マリア・ド・ロザーリオ下院議員(PT=労働者党)は、「女性が誠実な人ではないとみなされれば、暴力を振るわれてもかまわないという、とんでもない状況を刑法がつくっていた」と改正の必要性を訴えた。同改正案はこれから上院で票決される。
同議員は、「誠実な女性」という表現が男尊女卑的な考え方に基づく、性的な意味での「誠実さ」であると指摘している。一方「誠実な男性」は、「いい人」「道徳的」「金融管理を正しく行う人」と良いイメージの言葉になる。「刑法の二一六条は偏見的な姿勢で書かれている」と、同議員は言明する。
また、同改正案は、人身売買に対する処分も厳しくするよう求めている。女性の場合、売春取引の被害に遭うケースが圧倒的に多い。
配偶者の女性に対する暴力は、拷問罪とみなされ、二年から八年までの拘禁に処される。