今月十九日、JICAなどがサンパウロ州立大学アシス校で開催した環境セミナー「水・土・森――自然資源の保全と回復」は考えさせることが多い。
同セミナーで発表したサンパウロ州森林院の現地共同研究者、アントーニオ・カルロス・ガウヴォン・デ・メーロ氏によると、アンケート調査の結果、植林のきっかけは、「環境基準を遵守して(ある意味、仕方なく)」が六~七割、「自発的に」が三~四割だったらしい。
市民の環境意識が高まってきたともいえるが、まだまだこの程度かともいえる微妙な数字だ。
約八百五十一万二千平方キロメートルの広大な国土は世界の陸地の十七分の一を占めるブラジル。国民は知らぬ存ぜぬを決め込むのではなく、全世界で叫ばれている環境問題の、せめて十七分の一の責任は果たす義務があるのではないだろうか。(さ)
03/11/29