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サンパウロ市 水問題で州と対立

12月2日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六、二十七日】水不足問題をめぐって、マルタ・スプリシーサンパウロ市長(PT=労働者党)とジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(PSDB=ブラジル社会民主党)が火花を散らしている。
 マルタ市長は二十五日、サンパウロ市水道・下水サービス管理庁(Arsae)を創設する市条例を発令、サンパウロ市の配水計画・管理を市の管轄下に置く方針を表明した。市長はサンパウロ州水道局(Sabesp)が節水を延期したことに対し、「重要なカンタレイラ貯水池の水位を三%以下まで下がらせておいて、それをサンパウロ市のせいにするとは」と批判した。この市条例は二十六日に官報に公表された。
 一方アウキミン知事は二十六日、「州を助けたいのなら、サンパウロ市が滞納している水道・下水料金計二億五千三百万レアルを支払って欲しい」と皮肉り、「これは都市圏の問題で、一都市だけのものではない。サンパウロ州は一世紀以上も州の水道・下水を管理してきた。サンパウロ市は今まで水道分野に投資したことがないではないか」と言い返した。
 マウロ・アルセ同州水資源局長官も同日、「サンパウロ州の水の一五%のみがサンパウロ市から来る。残りは大サンパウロ市圏やミナス州南部から配水されている」と知事の言葉に付け加えた。「この市条例を詳しく分析させてもらう」。
 それを聞いたマルタ市長は、「彼(アルセ長官)、そんなこと言ったの? みっともない。わたしはただ、州の水道管理での決断の際にはサンパウロ市も参加させて欲しいと言ってるだけよ」と微笑んだ。