12月2日(火)
【ヴェージャ誌】六十歳を超えるブラジル人の離婚が増えている。五年間で離婚または別居した高齢者の数は五一%増加した。離婚総数は一三%増加したことからみても、高齢者の離婚は著しい。
増加の主な原因として、五十年前と比べて平均寿命が三五%伸びたことが指摘されている。当時、六十歳を超えてから生活や将来の人生設計を突然変えることは珍しかったが、今はちがう。勉強、スポーツ、そして恋愛にまで高齢者たちはいそしんでいる。
ジョゼーさん(七五)は六十二歳で離婚したが、二年後に十五歳年下の女性と結婚した。「六十歳を超えたからといって人生に希望を失い、幸せを求めちゃあいけないってことはないだろ?」。ジョゼーさんは仕事を続け、週三回スポーツクラブに通っている。
調査会社、『インディカトールGfK』によると、ブラジルの男性高齢者の四四%がジョゼーさんのように、独立心が強く、活動的で、人生に満足しているという。しかし、離婚したり、夫に先立たれた場合、女性は新しい伴侶を見つけるのが難しい。ブラジル地理統計院(IBGE)のデータによると、六十歳を超えて結婚した四人のうち、女性は一人を占めるに過ぎない。また、こうした男性の七〇%が六十歳以下の女性と結婚するが、年下の男性と結婚する女性はたった一八%だ。男性は自分の身の回りの世話を困難に感じることも再婚率が高い理由の一つと、心理学者は分析している。
女性たちは女友達と旅行したり、大学の高齢者を対象としたコースに通ったりする。多くの女性にとって、離婚は一種の「解放」を意味する。テレジーニャさん(六五)は一カ月ほど前に離婚した。しかし、夫婦の関係は十年前からすでに悪化し始めていた。初めのうちは、三十年近く続いた結婚生活にピリオドを打つことを拒否した。テレジーニャさんは四年前から大学の高齢者対象のコースに入学した。「結婚していた時より、今はもっと幸せです」。子どもたちがすでに独立していたことも離婚に踏み切る理由になったという。
「子どもたちが独立すると、夫婦は共通の人生の目的を失うこともある」と心理学者のレルフェルド氏は話す。もうひとつの離婚要因は性生活だ。ここ数年の間に性的機能障害の治療薬が登場・普及し、男性の多くがすでに失った役割を取り戻し始めた。それは夫婦関係に新しい風を吹き込むこともあるが、女性は自身の役割を取り戻すとは限らないのだ。