12月3日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】大統領府は一日、十八日開催の閣僚や議員、州知事、財界代表者会議へ向けて二〇〇三年度省庁の事業報告要綱を配布した。要綱は、今年度の実績を踏まえた意欲的な二〇〇四年度計画案を、ルーラ大統領に提出するための要綱を教示したもの。各省庁は初年度の改革活動の進行状況と反省、新年度への提案を義務付けられた。大統領は二〇〇四年は〃発展の年〃と位置付け、各閣僚の抱負に期待しているという。
政府の二〇〇四年度マーケティング戦略を〃発展の年〃とした。大統領は四日、テレビやラジオを通じて国民にメッセージを送る。政権就任以来、温めてきた官民合同のインフラ整備計画を国策として発表する。大統領は一日、録画した。
新年に向けて抱負を語る大統領のメッセージには、ジルセウ官房長官やパロッシ財務相も特別出演で参加する。これからが、PT政権の真骨頂であると所信を示威する。困難は克服された。年金改革や税制改革も峠を越えた。不況のトンネルもくぐり抜けた。来る年は、自信を持って上昇志向で迎えようと呼びかける。
一方では国内総生産(GDP)の増加率が第三・四半期でわずか〇・四%に停滞、失業率は一二・九%へ増加、勤労者所得の減少などがある。国民は掛け声だけでは、手放しで喜べないでいる。
二〇〇四年は市長や市議を選出する地方選挙の年でもあり、PTは失地回復をしなければならない。配布した要綱には新方式による経済発展の具体案、低所得層の社会参加、国際舞台でのブラジルの台頭と外交戦略、汚職の排除、環境と遺伝子組み換え、技術開発、農地改革、治安問題、国道の整備、インフラ整備と資金捻出が列記されている。
政権就任当初は、予測以上のインフレに襲われた。インフレ鎮静するために高金利政策を採り、産業そのものを窒息させそうになった。ようやく経済指標が理想の状態に復帰、これからの好景気は長期間に持続すると関係者はみている。
第三・四半期の失業率一二・九%は、前政権下の昨年同期の一一・二%より多い。政府は、五十六万六千人の雇用創出に努力した。しかし、稼働人口は同期間に百五万人増加した。稼働人口は雇用創出を大きく上回り、生産性も一五・二%低下した。